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故郷=水の都から授かったもの



皆さんこんにちは。

ヴァイオリニスト・作編曲家の吉田篤貴です。

ブログを覗いていただきありがとうございます。


普段はジャンルを問わず様々な媒体のサウンドトラックやアーティストの作品に参加させていただきながら、自分の音楽表現としてここ数年は自作曲の演奏に重きを置き、EMO stringsのアルバム制作やライブ活動を主に展開しています。

photo by bozzo


さて、いきなり自虐的なことを言うんですが、とても全国的に知名度があるとは言えない岐阜県大垣市の出身ということを自分のプロフィールの冒頭に書いています。

それはなぜか。


自分を育て、沢山の音楽体験をさせてくれたのが大垣で、上京するきっかけになったヴァイオリニストの久保陽子氏との出会いもこの町で行われた音楽祭であり、高校卒業までの時期をこの場所で過ごしたことへの必然性を今でも強く感じているからなんです。

その大垣への感謝の想いを込め、2015年にスイトピアセンターで行われたコンサートで初演するために書き下ろしたのが今回の動画の楽曲。

古来「水の都」と呼ばれ街の中でも湧き水が見られたという大垣市は、豊かな水を運ぶ河川に囲まれています。

その水を生かし、今でも自分の実家では兼業農家として米を作っています。上京してから今に至るまで自分が家で食べる米はほとんどが地元で採れたものなんです。

実家の周りには今も変わらぬ田園風景が広がっています。その風景の中を歩くのが帰省時の一つの楽しみで、自分を初心に戻してくれる。夏の風物詩でもある休耕田の美しいひまわり畑は自慢の景色です。



大垣は飲み水にも恵まれています。

ほのかに甘みのあるおいしい水道水が当たり前だったので、上京してハミガキをした際の水のカルキ臭に驚いたことは今でも強烈に覚えています(笑)

そして水都を象徴する名物といえば「水まんじゅう」。半透明な葛餅でこしあんを包んだ夏限定の和菓子は、氷水に浮かべて食べるのが大垣流。いくつかの地方でも水まんじゅうは存在しますが元祖は大垣なんですよ(と言われています!)。


豊かな河川に囲まれるが故に、その昔大垣の南部とその周辺の地域では水害に苦しめられた時代がありました。水害から自らの集落を守るために堤防で囲った「輪中」があり、石を積み高くした土台の上に建てられた避難所兼倉庫となる「水屋」が残る地域もあり、当時の人々の生きる為の知恵が垣間見えます。

豊かな水と苦楽を共にしてきた治水の歴史に想いを馳せ、自分が大垣にいる頃に触れていた3つの楽器、ヴァイオリン、クラリネット、ピアノの為の小曲集を作りました。

偶然にも公開のタイミングを前に、日本各地で豪雨による水害が発生しました。

被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。

脅威と化してしまった水が、一刻も早く穏やかに恵みを与えてくれる水に戻ることを強く祈ります。


一緒に演奏してくれた仲間を紹介します。

ピアノの田口真理子は同じく岐阜県出身で、クラシックを基盤にしながらも僕と同じくジャンルを超えた活動をし、時に僕が楽譜に示し切れない抽象的な表現もイメージを共有し体現してくれています。


クラリネットの篠塚恵子は、度々岐阜を一緒に訪れて演奏をしてもらっています。伸びやかな温かい音色で僕の楽曲を彩ってくれました。



動画の作成にあたっては、録音、ミキシング、撮影、編集を全て自分たちで行ったので少し時間がかかってしまいましたが、ステイホーム期間にできる最良の方法ということでリモートでのレコーディングと撮影を取り入れました。



もともと自宅スタジオで録音する仕事をしていますが、緊急事態宣言発令中に吸音材を増やし環境を更に整え、録り音の向上を目指しました。楽器奏者である自分がよく知る"楽器のいい音"に近づくようなマイキングを探り、ミキシングでもそこを心がけました。


今回、もし沢山の方に見ていただくことができたら、いただいた資金を使い、続編としてこの組曲の"終曲"(2015年の同日に初演)を3人で集まって演奏する映像を作成したいなと考えています。


是非、応援をお願いします!


離れながらにして音でつながった3人の演奏家の魂を、感じてもらえたら嬉しいです。




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